なかなか売れないな、アプローチをいろいろと試したけれど上手くいかない。消費者の行動が予測できていないだけかもしれません。『アサエルの購買行動類型』に販売する製品を当てはめて、最良のアプローチを模索してみましょう。
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消費者の行動を予測する方法:アサエルの購買行動類型
Webマーケティングでは、消費者の行動を理解した上で販売する製品や商品にあった施策を考えていくのが定石です。その一つである『アサエルの購買行動類型』をご紹介します。
販売するモノを4つのタイプに分ける!
複数の製品や商品、あるいはサービスの中から特定の一つを選択するときに、消費者がどのように行動をしているか?非常に複雑であることが知られています。
『買おうかな?』と思った時を想像してください。『とにかく値段は安ければ良い?スペックを重視する?耐久性が高い方を選ぶ?ブランド品が良い?』それなりにたくさんの基準を持っていませんか?
そして、『買う』と決断するのに口コミを見たり、近くの誰かに相談してみたり、そもそも買わなきゃいけない理由があったりするわけですよね。
ヘンリー・アサエル:Henry Assael は簡単なモデルで考えた
アメリカの消費者行動の権威であるヘンリー・アサエル教授は、製品・商品のタイプによって消費者の行動が異なると提唱しました。判断基準としたのは以下の2つの基準軸で4つのタイプに分類する『購買行動類型』です。
分ける基準①:関与の程度
関心、重要性、こだわり、思い入れ
消費者が持つこのような製品そのものや購買に関する関心の程度を指します。
分ける基準②:ブランド間の知覚差異
見分けがつくかどうか
おなじカテゴリー内のブランドの違いを知っていて覚えているかを意味します。
傾向と対策:1.情報処理型
傾向:多くの比較・検討を繰り返す
関与の程度、すなわち製品・商品あるいはサービスに関心が高く、ブランド間の見分けがつくので購買行動自体は複雑になりがちで、製品の比較・検討を多く繰り返すことがわかっています。
ブランド間の知覚が高い状態というのは、例えば『メルセデス・ベンツ』とか『BMW』とか。
⇒自動車に詳しくなくても、ベンツとBMWは見分けが付きますよね。
具体例:
自動車、パソコン、一眼レフカメラ など
対策: 製品の特徴や違いを明確にする!
印刷媒体や人的販売によるブランドコミュニケーションが最適です。
傾向と対策:2.バラエティ・シンキング型
傾向: 固執せずに試し買いを繰り返す
関心度は低いけれど、ブランド間の知覚は高いので次々にブランドスイッチします。 消費者は、比較的に安価で手軽に購入できる商品であるので様々な刺激、目新しさやバリエーション、あるいは経験を得ようと、前回の製品に不満がなくても別のモノを買い求めます。
具体例:
ポテトチップス、サラダドレッシング、マカロン など(比較的低価格の製品に多い)
対策: 関心を持たせて、ブランドスイッチを防止する!
いわゆる既存顧客の『囲い込み』です。カテゴリーにおいて「このブランド製品を買いたい!」と認識させて、ブランド・スイッチ(切り替え)を防止する手法が必要です。
傾向と対策:3.不協和解消型
傾向: 購入後に「判断は正しかったのか?」と確認してしまう
関心は高いのだけれど、ブランド間の知覚は低いのでよっぽどの目利きが効かない限りは購入後に「この製品を買ったけど大丈夫かな?」や「もっと安値で良い製品があったかもしれない」と不安や迷い(不協和)を感じています。
具体例:
高級カーペット、貴金属、白物家電など
対策: 広告による「不協和」の緩和と購入後のサポート徹底!
購入する製品に対する不安や迷いを引き下げるために広告を打つことや購入後の不安を払しょくさせるためのアフターフォローが重要になります。
傾向と対策:4.習慣購買
傾向: 意識せずにいつも買っている製品を再購入する
製品に対する関心も低く、ブランド間の知覚も低いので『なんとなく』いつもの製品を購入しています。したがって、一度購入してもらえば継続的な購入を期待できます。
具体例:
塩、ティシュペーパー、トイレットペーパー など
対策: 目立ってナンボ!店頭で目に付きやすい売り場を確保!
継続的な再購入が望めるわけですが、いかに新しく購入してくれる消費者の目に留まるかが肝になります。
製品の差別化要素も少ないので消費者の目に触れさせる頻度を上げて「使ってみようかな?」と感じさせるプロモーションが必要です。
まとめ
今回は『アサエルの4つの購買行動類型』を取り上げました。
ブランド間の知覚が十分ではないのに、製品スペックの説明に終始してしまったり、アフターサービスを疎かにしてしまったりしてリピート客を失うなんてことはよく起こっているように感じます。
販売している製品・商品あるいはサービスに関心があるのか?ないのか?とそれらがブランドとして認知されているのか?いないのか?この2軸で分けてあげることでグッとわかりやすくなるはずです。
対応策もぜひ参考にしていただければ幸甚です。
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