【営業CFとは?】現役の経営戦略室が教える超基礎!
営業CFは“ 本業で稼いだ現金がどのくらいあるか ”を示す!
営業CFは正確にいえば「営業活動によるキャッシュフロー」のことです。金融商品取引法の適用を受ける上場企業において作成が義務づけられているキャッシュフロー計算書に記載されています。
「CF」はCash Flow(キャッシュフロー)の略です。キャッシュは英語のCashで「お金・現金」、フローは同じく英語のFlowで「流量」ですので、「お金の流れ」と訳せます。
企業は製品、商品を販売あるいはサービスを提供することで、顧客から対価として「お金」を得ています。このような営業活動の結果、
1年間でどのくらい「お金」を生み出したかを表しているのが営業CFです。
営業CFがプラスなのは良い会社の条件!?
営業CFがプラスということは、本業で稼いできた「現金」がプラスってことです。なので、
営業CFプラスに越したことはありません。
じゃあ、マイナスだったらヤバいじゃん?たしかにヤバいかもしれませんが、なぜマイナスなのか?を考えてみることが大事です。
例えば企業の規模がどんどん拡大しているような状況では、先行して支出が増えるはずです。
前もって仕入をしないと売るモノがないので仕入代金の支払いは先行しますし、人件費だってまずはヒトがいないと事業を進められません。カネは先行しやすい!だから結果的に、先行して払った「現金」によって営業CFがマイナスになることだってあるんです。
具体的には企業が株主や投資家むけに発信しているIR情報の「キャッシュフロー計算書」と「損益計算書」の合わせ技。
損益計算書で何年も営業利益が赤字で、キャッシュフロー計算書をみても営業CFがマイナスという場合は、ほぼ間違いなく業績不振に陥っています。
損益計算書をみると売上高がうなぎ上りで営業利益も黒字、ただキャッシュフロー計算書では残念ながら営業CFがマイナス、これは先行投資で「現金」を使っているからと読み取れます。
営業CFは営業利益とどこが違うの?
営業利益とどこが違うの?というのは素朴な疑問だと思います。私もおなじ疑問を持ってました(笑)
営業CFの特長は「お金の流れ」における「現金」に注目した指標というところです。営業利益には「現金」ではない「お金」が含まれていたり、「現金」として含めるべき「お金」が入っていなかったりします。
「現金」ではない「お金」は引く!
「現金」として含めるべき「お金」は足す!
ただただコレだけ!簡単でしょ!
営業CF = 営業利益 + 減価償却費 ± 運転資本の増減 - 税金
キャッシュフロー計算書の算出方法とは異なります。どこが違うのか?という概念を捉えていただければ幸いです。
「現金」として含める代表格は『減価償却費』
減価償却費はナンだったか?というと「長いこと使えるモノを買ったときのお金は高額だから、そのモノが使える年数分に分けて会計処理していいよ」ってことでした。
会計上の処理でしかなくて、その年に「現金」を払ったわけではない!「現金の流れ」に動きがあったわけではないのに
『営業利益』からは差し引かれているので、『減価償却費』は足して戻す必要があります。
企業間のツケ払いによる『運転資本の増減』があれば足し引きする!
運転資本は「企業が活動するのに(発生する “ズレ”を埋めるのに)必要なお金」のことでした。
例えば何かモノを作って売るとき。
現代において原料を仕入れるときに現金で払うか?通常ではあまりない。
仕入れるたびに現金でやり取りするのも面倒なので
「支払いは後でまとめていいですよー」
と月単位で請求されることが一般的です。
原料を買う時と代金を支払う時に”ズレ”がありますね。
クレジットカード決済したときに翌月末にまとめて支払うのをイメージは同じ。
作ったモノを売るときも同じで、モノを売った時と代金をもらう時に”ズレ”がでます。
この“ズレ”は結局のところ「現金」ではないでしょ?だから調整するんです。
プラス側の“ズレ”なのか、マイナス側の“ズレ”なのかの2パターンがある!
運転資本が増加する場合、「現金」じゃない“ズレ”が増えてる。すなわち「現金」という「お金」は減っているので 『営業利益』から『運転資本の増加分』は引く必要がある。
反対に 運転資本が減少する場合、「現金」の“ズレ”が減っている。イメージしづらいかもしれませんが 発生する “ズレ”を埋めていた「現金」という「お金」が減るので 『営業利益』から『運転資本の減少分』は足すんです。
商売する以上はその国に収める『税金』は払わなきゃ!
ある意味で国に守られて仕事ができているのでショバ代ではないですが、その国で商売する以上はルールに従って『税金』を納める必要がありますよね。
営業利益から払わなきゃいけない『税金』も「現金」が減ることを意味するので差し引いておく必要があります。
まとめ
・営業CFは本業で稼いだ「現金」がどのくらいあるかを表す指標
・営業CFは「キャッシュフロー計算書」に記載されている
・営業CFがプラスなのは良い会社といって間違いない
・急成長しているときは営業CFがマイナスになることだってある
・要確認!「キャッシュフロー計算書」+「損益計算書」
・営業CF = 営業利益 + 減価償却費 ± 運転資本の増減 - 税金
⇒減価償却費は流れていない「現金」だから足し戻す
⇒運転資本が増加したら「現金」の流出、現象なら「現金」の流入
⇒税金を払えば「現金」は減る
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