・『撤退障壁』をお調べの方
・ポーターの5フォース分析で「競合の敵対関係」になぜ『撤退障壁』が列挙されるか分からない方
Table of Contents
撤退障壁とは?
え?儲かっていない事業なら、さっさとやめればいいじゃん?
そうです。儲かっていないから止め(撤退し)たいのだけれど、 止めること(撤退)ができない要因があるから困ってしまうんです。
撤退障壁とは?
参入している業界あるいは市場から撤退しようとする会社にとって、撤退を妨げる何かしらの障害のことを意味します。
ちなみに英語では?
Exit barriers
そもそも、徹底障壁が起こる要因は?
①固定費/変動費の比率
固定費が大きい
その事業の固定費と変動費のバランスが、『撤退のしやすさ』と密接な関係があります。
不変費とも言われるように、売上が上がっても下がっても変わらずに発生する費用のことです。
具体例)人件費、家賃、リース料、減価償却費 など
可変費とも言われるように、売上が増減と連動して発生する費用のことです。
具体例)材料費、仕入費、販売手数料・奨励金 など
わかりやすい例でいうと、製造業はモノを作るための工場を建てて、生産設備を導入して…と初期投資が非常に大きい額になります。
では、儲からないから次の日からその工場での生産を止めます!と決断しても、投資した設備の減価償却費が帳消しになるわけでもないですし、そこで働く人々の給与は発生し続けるわけですよね。
こういう固定費が大きいビジネスをストック型と言いますが、一般的に撤退障壁は大きくなります。
②固定費(ストック)の市場性
固定費に売り手がいない
①の例でいうと、生産工場に売り手がいるかどうかです。正直、難しいです。撤退を視野に入れている場合、営業利益が赤字である場合が多いので、事業価値は付かないでしょう。
売り手がつく具体例でいうと、ラーメン屋さんでしょうか。
毎年のように違う名前になるラーメン屋さんって結構ありませんか?アレは居抜き物件として『ラーメン屋』の設備がそのまま使えるからです。
③顧客への供給責任
顧客に迷惑をかけてしまう
例えば、生活インフラを提供する企業が、「儲からないので止めます」 これは困りますよね。
他に、供給義務に契約を取り交わしている場合も撤退障壁は大きくなります。
その業界に新規参入しなければよかったのでは?
撤退する際に、撤退すること自体が難しい事態は予測できなかったのか?
新規参入する際の分析手法として5フォース分析がありますが、分析を行う時点での『競合の敵対関係』の強さを分析します。
②業界の成長が遅い
③固定コストまたは在庫コストが高い
④製品差別化がないか買い手を変えるのにコストがかからない
⑤キャパシティの増加が小刻みにはできない
⑥競争業者がそれぞれ異質な戦略をもつ
⑦戦略が良ければ成果が大きい
⑧撤退障壁が大きい
撤退障壁と参入障壁とセットで考えるべき!
ポーターらによれば、撤退障壁と参入障壁はセットで捉えるべきとしています。下表に示した通りです。
『参入障壁 大』かつ『撤退障壁 小』を狙え!
まとめ
今回は撤退障壁についてまとめました。参入する時点で撤退する場合を考慮に入れておくことは大事であるということです。
5フォース分析を用いて、その業界の『競合の敵対関係』から新規参入後にいかにして参入障壁を上げて、理想な形を形成するか。
これも競争優位性を確立する一つの手法であろうかと思います。
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