・PPM分析の実例をお探しの方
・日産の株式を所有の方
本日、中国出張より帰国しました。帰国してまず驚いたのは下記の報道でした。
保釈後に再逮捕する相応の理由があったのでしょうか?
ゴーン被告再逮捕 東京地検特捜部 オマーン資金流用疑い
Yahooニュース:産経新聞 より
会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(65)が、オマーンの販売代理店側に日産資金を不正に支出し、約5億6300万円の損害を与えたとして、東京地検特捜部は4日、新たに同法違反(特別背任)容疑で再逮捕した。逮捕は4回目。特捜部は中東を舞台にした不透明な巨額資金の流れの解明を進める。
日産に何が起こっているのか?
ゴーン氏なき今、日産はどういう舵取りをするのか興味があります。現経営陣の施策が功をなすかどうかはコレカラでしょう。
まだゴーン氏の影響が色濃いだろう直近の決算発表資料を紐解いていこうと思います。
売上高と営業利益
2019年2月12日に発表された2018年度第3四半期決算発表資料によれば、累計の連結決算は下記のとおりでした。
- 売上高 8兆5,784億円
- 営業利益 3,137億円
売上高は前年比0.6%であるのに対して、営業利益は△13.9%であり費用面が嵩んだと読み取れます。
地域別の販売状況
地域 | 売上高 |
日本 | 34,448億円(0.3%) |
北米 | 45,637億円 (△2.5%) |
欧州 | 13,550億円 (△7.3%) |
アジア | 11,765億円(2.5%) |
その他地域 | 8,267億円(18.4%) |
北米…米国、カナダ、メキシコ
欧州…フランス、イギリス、スペイン、ロシア、その他欧州諸国
アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
その他地域…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米
日本を含むアジアと中南米地域での伸びはあるものの、ゴーン氏が推し進めていた欧州での利益貢献は確認できない状況です。
地域別PPM:Product Portfolio Management
横軸:営業利益率
連結の営業利益と比較したために、「アメリカ(北米)」が「負け犬」に区分されてしまっているが利益は約3%は稼ぎ出している状況なので、本質的には「金のなる木」の区分で問題ないと考察します。
「日本」と「中国(アジア)」は「花形」なので、シェア率を伸ばしつつ、売上高と粗利を稼いでいく戦略が妥当と感じます。
「欧州」は「問題児」。文字通り“問題児”だったのかもしれませんが…。現時点では営業利益率が低いので、市場の成長率が望めないのであれば「負け犬」になり得るでしょう。
今回は短期的にデータを見ているので、結論を出すことは難しいと考えます。
まとめ~新生・日産の注目~
今回は、2018年度第3四半期の決算発表で公開されたデータを用いました。ゴーン氏の影響が色濃く残るデータとして簡単に分析しました。
決算データからだけでもこの程度のことはできるという見方をいただければ幸甚です。
構造改革は進んでいる様子…
インフィニティ、2020年に西欧市場から撤退…小型車の英国生産も終了へ2019年3月13日 Response より
日産自動車の海外向け高級車ブランド、インフィニティ(Infiniti)は3月12日、西欧市場から2020年に撤退することを柱としたリストラ計画を発表した。
今回のリストラ計画は、インフィニティにとって最大の成長市場の北米と中国に、経営資源を集中させるのが狙い。北米でのSUVラインナップにさらに強化し、中国では今後5年間に、新型車5車種を投入していく。同じく成長市場の東欧、中東、アジアの事業にも変更はない。
その一方、西欧市場からは2020年に撤退する。現地のディーラーは、車両のメンテナンスなどのアフターサービスの受け入れ先が決定するまで、営業を継続する。
このリストラ計画の一環として、コンパクトカーの『Q30』とコンパクトクロスオーバー車の『QX30』の英国サンダーランド工場での生産は、2019年半ばまでに終了する予定だ。Q30とQX30は、ルノー日産アライアンスとダイムラーの提携の成果として開発され、車台はメルセデスベンツ『Aクラス』の先代モデルと共用している。
販売する車種も豊富なことから、地域別のPPMでは非常に大雑把なことしか分かりませんが概要を掴むには一つの手段と感じます。
リストラクチャリングを掛けていく背景も見えたのではないのでしょうか。
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