競争ベンチマークで自社を知る
ビジネスでは、時折耳にする『ベンチマーク』ですが、元々は測量の言葉だったようです。
ベンチマーク(英: benchmark)とは、本来は測量において利用する水準点を示す語で、転じて金融、資産運用や株式投資における指標銘柄など、比較のために用いる指標を意味する。また、広く社会の物事のシステムのあり方や規範としての水準や基準などを意味する。またベンチマーキングとは自社の課題解決のために、競合他社などの優れた経営手法(ベストプラクティス)を持つ企業を分析するプロセスを指す。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF
SWOT分析をより効果的にするために、他社と徹底的に比較することが必要です。
ベンチマーク分析では以下の4つが一般的です。
- 自社・競合の定量分析
- ターゲット顧客分析
- バリューチェーン分析
- 製品・サービス分析
これらから競争優位性の源泉となる内部要因を洗い出します。
自社・競合の定量分析
- シェア
- 売上高・営業利益の成長率
- 営業利益率
- 損益構造
上場企業であれば、企業分析には「バフェット・コード」が非常に便利です。(https://www.buffett-code.com/)
シェアをセグメント別に見れればBESTです。
ターゲット顧客分析
顧客の属性(セグメンテーション)ごとのシェア率・顧客数を分析します。
可能な限りMECEなセグメンテーションを行う
MECEとは、「Mutually Exclusive Collectively Exhaustive」の略です。
「ミーシー」や「ミッシー」と読みます。
- Mutually Exclusive(互いに重複がなく)
- Collectively Exhaustive(全体にモレがない)
「モレなくダブりなく」という表現が一般的であり、ロジカルシンキングの基本概念です。
MECEな顧客セグメントの軸としては、
- 国、エリア
- 行政法人、民間法人、個人
- 年齢、性別、収入、世帯属性
等が挙げられますが、ニーズ調査に応じて帰納的に積み上げていきます。
もちろん、仮説を立てて進めていくことが必要です。
セグメントごとの市場数量を把握する
バリューチェーン分析
事業活動を機能ごとに分解して、どの機能で価値が生み出されていて、
どの機能に強み・弱みがあるのかを分析します。
ここでいう価値は、競争優位の源泉となるものを指します。
具体的には差別化要素や低コスト化等です。
主活動とは?
製品やサービスを顧客に提供することに直接的に関与する活動
例)購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービス
支援活動とは?
製品やサービスを提供する活動には直接関与しないものの、業務遂行上で必要不可欠な活動
例)全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活
バリューチェーン分析のポイントは?
一連の活動としてマージン(利益)が生み出されていると俯瞰することです。
VRIO分析のフレームワークを他社に対しても試みることも有効です。
他者と比べて一部分の機能だけが低コスト化や差別化できているだけでは、一時的な競争優位性にしかなりません。
なぜなら企業全体の活動が相互に連結されることで、その価値を顧客まで届けることができるからです。
裏を返せば、全体として連結された価値が差別化できている場合には、持続的な競争優位性を獲得できることを意味します。
想像してみてください。
競合他社は一部分の機能だけではなく、
バリューチェーン全体を模倣しなければならないとなると、そうそう容易ではないですよね?
製品・サービス分析
マーケティングの4Pフレームワークを用いて分析します。
製品や価格は顧客ニーズに合致しているか否かが競争力に繋がります。
まとめ
手に入る資料から自社の強みと弱みを知ることで、自社の競争力の源泉たるは何なのかをよく見つめることが肝要です。
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