成約率が上がらないのは「空気が読めていない」のかもしれません。人は何かの宣伝されたとき、その思考がどのようなルート辿るかによって “態度”が変わるということが知られています。この思考ルートに着目した『精緻化見込みモデル』を熟知することによって、「空気が読みやすくなる」かも知れません。
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営業マン必見!?成約を引き出すトーク術!タイミングを知る方法
『精緻化見込みモデル』
を知って、営業トークを展開する際にそのタイミングを活用することです。
空気を読む=相手の態度から、話す内容を変える
「営業マンの実力=成約数」と言えるでしょう。入社時期は対して変わらないのに妙に成約率がいい営業マンに、成約を勝ち取るためのコツを聞いたら、
「空気を読むだけだよ(笑)」
と一蹴。悔しいので、改めて「空気を読む」という行為を、他の言葉で表現してあげると、
「相手の態度から、話す内容を変える」
と言い換えることができます。でも、そもそも何故に態度が変わってしまうのでしょうか?
人間の脳はサボりたがり
体重のわずか2%の脳が、全エネルギーの24%を消費している
このように大量のエネルギーを消費する脳は、「省エネ」モードを搭載しています。専門用語ではヒューリスティックスといい、「脳はよく考えなくても問題ないときは、あまり考えない」ように出来ていることはよく知られています。。
我々が、何かしらの商品を紹介されて「買う」と決めるまでのプロセスの中にもこの「省エネ」モードが存在します。これらを理解しやすくまとめたものが『精緻化見込みモデル』
精緻化見込みモデルとは?
アメリカの心理学者Richard Petty(リチャード・ペティ)と社会神経科学者のJohn Cacioppo(ジョン・カシオッポ)が、1986年に発表しました。
Communication and Persuasion: Central and Peripheral Routes to Attitude Change
Petty, Richard E. and John T. Cacioppo (1986), New York: Springer.
『 精緻化見込みモデル 』由来はおそらく英語の和訳から
『精緻化見込みモデル』は英語で、 ELM:Elaboration Likelihood Modelです。カタカナで無理やり読むと「イラバレーション・ライクリィフッド・モデル」で、「イー・エル・エム」と略します。
Elaborationは、念入りに積み上げることを意味します。文章をよくしようと何度も考え、書き直すことを推敲といいますが、 推敲の英訳はElaborationです。
Likelifoodは、可能性あるいは見込みという意味です。
耳馴染みのない難しい日本語になっている『精緻化見込みモデル』は、各々の英単語の直訳が語源になっていると想像できますね。
精緻化見込みモデルには2ルートある①中心ルート
受け手が宣伝された内容に興味があり、知識や経験がある場合は、発信側の伝えたい情報がストレートど真ん中にドーンっと届くので『中心ルート』と言われています。
・一戸建て住宅、マンション購入などの人生の一大イベント
・自動車、高級腕時計などの高額なモノ
・仕事や保険を選ぶとき
・その他、こだわりのあるモノ
重要な決断をするときには『中心ルート』で考えると言われており、メリットとデメリットを客観的な事実やデータと照らし合わせて、論理的に判断できる要素を求めます。
論理的な判断には時間がかかる、故に意思は固い
ここで少し想像してみてください。
↓のようなWeb広告から、デザインをカッコいいし「よし!買おう!!」となりますか?
いませんよね、普通のサラリーマンにとって数十万円の買い物は非常に高額です。
したがって、過去に高額なモノを買った経験を振り返りながら、いろいろな要素を見比べながら検討を行うはずです。
もう一つのポイントは、このように時間をかけて導き出した判断はそう簡単には変更したりしません。
精緻化見込みモデルには2ルートある②周辺ルート
受け手が宣伝された内容に興味がなく、知識や経験もない場合は、発信側の伝えたい情報に関連した遠回しの情報しか届かないので『周辺ルート』と言われています。
・日用品、お菓子やジュースといった低下価格なモノ
・その他、こだわりのないモノ
『中心ルート』のように客観的に捉えるのではなく、
「コレ、なんとなく好きだな」
「このメッセージの俳優・女優さん、前から気になってたんだよな」
程度の どちらかと言えば直感的な情報によって購入を決断します。
直感的に決断した答えは、コロッと変わる
「あぁ、のどが渇いたな」と思ってコンビニに立ち寄り、100円のジュースを買うのに、成分表をしっかり読み込む方は少数派だと思います。直感的に、女優の新垣結衣さんがCMしてたとか、パッケージが斬新だとか…
商品にポジティブな良いイメージがある
かどうかによって瞬時に決断に至っているはずです。
例えば、子育て世代にとって子どもに飲ませるお茶が「カフェインゼロ」という訴求は非常に好感があります。↓のように幼稚園児くらいの年齢の子どもと商品を関連付けられると、親としてはポジティブな印象を持ちます。
とは言え、直感的に「なんとなく」選んだという意識も残るので、改めて考えを求められるシーンでは、簡単に意見を変えてしまうことが多いです。
ただし、例外もあります。この場合は「アレルギーがある」場合です。 ご自身がアレルギー体質であれば何によって引き起こされるかは知識と経験があるので、じっくり成分表にアレルゲンの有無を調べるはずです。この場合は『中心ルート』で考えます。
まとめ:精緻化見込みモデルを使い倒す
今回は営業マンがお客さんの購買における思考ルートを読み解くヒントとして『精緻化見込みモデル』を紹介しました。
「お前、空気読めよ」
と客先で言われたことはないまでも、
「あまり興味を持って聞いてくれないな」
と思ったことがあるのではないでしょうか? 今日、紹介した『精緻化見込みモデル』を多用して営業トークの展開を見直してみたらいかがでしょうか。
自分の話は、残念ながら興味がなくて知識も経験もないようだから、お客さんの思考は『周辺ルート』にあるな。だったら、直感に訴える話を多用して、興味を持ってくれそうな内容から『中心ルート』へ突入する糸口を見つけないと。
元・営業マンからのアドバイス
『周辺ルート』はオレオレ詐欺に悪用されるように、上手に活用すれば簡単に成約を取ることもできます。しかしながら、営業マンの本懐は信頼を積み上げてリピーターを増やすことで「売れる」仕組みや流れを作ることだと思います。
なので、『中心ルート』に引き込むために『周辺ルート』用の多種多様な分野のネタを常日頃から収集しておくべきなのです。そして、『中心ルート』に引き込んだお客さんを唸らせるだけの圧倒的な専門性があれば、お客さんはあなたを信じてくれます。
『中心ルート』を介して決断したことは簡単には変更されないという特性から、お客さんは自然とリピーターになり、こういった積み上げの結果はおのずと成約率という形で数字が付いてきます。
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