リストラの語源って知っていますか?
・中小企業診断士を目指して勉強中の方
・リストラの語源が気になった方
英語のRestructuringを語源とする外来語です。
Re‐:ラテン語が由来。back「後ろへ」、again「再び」、against「反対に」
Structure:struere(建てる)が由来。「構造」
日本を含め多くの国家では、組織再構築の実施による不採算事業の撤退や、部署の縮小に伴う「従業員削減」のみを意味することになり、本来の意味から大きくかけ離れてしまい、単に『解雇(アメリカ英語: Fire)』と解釈されている。アメリカ合衆国では「reduction in the work force」(就業規模縮小)と表現されることがある。
Wikipediaより
また、日本においては 1990年代初頭バブル崩壊以降、デフレ経済の進行に伴って、整理解雇を行う事例が官民を問わず急速に増加したが、当初は意図的に日本語を英語で言い換えることで経営側の心理的後ろめたさを軽減することを目的にしていた(ダブルスピーク)[要出典]。
しかし、現在ではこの様な解釈が一般的になったため、大手企業や外資系企業を中心にあえてこの言葉の使用を避け、「組織再構築」や「組織の建て直し」など、改めて日本語で表現してさらなるダブルスピークをする事も多い。
「悪事千里を走る」と言いますし、ネガティブな言葉は伝わりやすいのでしょう。
リストラ=解雇
と、すっかり定着してしまっていますね。
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そう簡単に解雇はできない。
労働契約法にも使用者の解雇権濫用は「無効」が明記されています。
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合 は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
労働契約法 第16条 厚生労働省HP 労働契約のあらまし
また、病気や出産を理由に解雇することは出来ません。
(解雇制限)
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
労働基準法 第20条 電子政府の総合窓口 e-Govより
使用者が解雇する場合には、一定の手続きが求められています。
(解雇の予告)
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
労働基準法 第20条 電子政府の総合窓口 e-Govより
労働基準法や労働契約法はまた別の機会に詳しくまとめたいと思います。
リストラクチャリング
本来の 英語のRestructuringは、「再構築」という意味です。
経営における「リストラクチャリング」は、全社的な「収益構造の改革」を意味します。
すなわち、事業構造を再構築し、企業の生産性や競争力を向上させることが目的です。
本業強化型
徹底した合理化とダウンサイジングで事業の競争力を高めていきます。
具体的に分かりやすいのは、不採算部門の事業規模を縮小もしくは思い切って撤退することです。
そして、事業所の統廃合を行ったり、事業部ごと分離・分社化したりすることが挙げられます。
多角化(新規事業開発)型
事業構造そのものを複雑化して環境変化に対応させていきます。
場合によってはM&Aを活用することも検討していきます。
そして、成長事業や高収益事業へ経営資源を集中させます。
原則として
コアコンピタンスを軸に「事業の再構築」することが肝要です。
また、リストラクチャリングの是非の判断はキャッシュフローの最大化が判断基準となります。
リエンジニアリング
「再構築」ではなくて「抜本的な見直し」をかけていくことです。
特にITの活用によって行われることが多いです。
昨今、IoTやAIという言葉がもてはやされていますが、
まだ、実務レベルではAI導入によるリエンジニアリングの恩恵は得られていないのが現状でしょうか。
成功を収めている企業は少ないと想像します。
で、ソレって儲かるの?
ネガティブな「リストラ」という言葉の語源は、「再構築」です。
ビジネス環境の変化が激しい現在、今までのやり方が通じないことも多いはずです。
生物の進化に重ねてみても、変化に適応できなかったものに待つのは「死」です。
必要に応じて事業のリストラクチャリング:再構築を実行していくべきです。
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